2014年5月29日木曜日

自分を信じるということ

この前のザイコフスキーのセミナーで、
うまく出来ず四苦八苦している私たちを見て、彼は、
「うまくいかないのは自分ができると信じていないせいです」
というようなコメントをしていました。

台湾でもインストラクターのアスランは、
ワークが上手くできない私に、
「Believe yourself」と言っていました。

先日、システマ仲間のSさんと飲みながら、
「でも、『自分を信じる』のと『自信』とでは違うんだよな」
という話になりました。

確かにニュアンスが何か違う。
何がどう違うのだろうか……と考えてみました。

例えば、あるワーク(エクササイズ)が上手くできない人がいて、
その人に向かって、「もっと自信を持って」と言った場合、
その人の過去の経験や努力、成果を知ったうえで、
「あれだけやってきたのだから、自信を持って」と
アドバイスしているような感じがあります。

それに対して、「もっと自分を信じてみて」と言った場合、
過去の経験や成果もさながら、それだけでは計り知れない
潜在的な能力、未知な部分にも働きかけているような感じがあります。

30代の頃に、中村天風先生という哲人の著作にはまって、
気に入った本は何度も読み直しました。

天風先生は積極的に生きるためのノウハウを提示してますが、
「観念要素更改法」という技法の中に、毎朝、鏡に写る自分の顔に向かって、
「おまえはもっと信念が強くなる!」と命令するというものがあります。
信念とは「思想や教条を固く信じること」ですから、
とりたてて思想もない私には、「信念が強くなる」という意味が
よく分かりませんでした。

天風先生は「分からなくても、唱えていれば分かるようになる」と
いずれかの著作の中でおっしゃっています。
今の私には、「もっと自分を信じるようになれ」という意味のように思えるのです。

システマに限らず、人生にとって必要なのは、
たぶん「自信」ではなくて、どんなことがあっても「自分を信じること」。
負けてしまった時やつらい時に「自信」を持つことはできないかもしれませんが、
いつだって「自分を信じること」は出来るはずだと思うのです。


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