2016年5月30日月曜日

半年ぶりにブラッドセミナーの復習やりました

このところ、忙しくて更新できていなくて申し訳ありません。

先週はシステマ湘南を体調のせいで急遽、お休みしてしまい、
当日なって自主練になってしまいました。
参加者の皆さんにはご迷惑をおかけしました。
改めてお詫び申し上げます。

さて、28日のシステマ湘南では、
昨年11月に行われたブラッドセミナーの復習を行ないました。
最近、DVDが発売されたものですから、それを機に復習しようというものです。

昨年のブラッドセミナーは、本当に充実した内容でした。
去年もブラッドの復習だけで4回を費やしたのですが、今回も同じだけの時間は
割くことになりそうです。

当日の自分のメモを見て、ほぼ正確に記入していたので、
我ながら「すごい」と自画自賛してしまったのですが、
ワークの中には非常に短時間しかやらなかったものもあります。

そういうものって、後から見直しても、体が覚えていないのですね。
なにせ記憶だけだし、その記憶もそれほど明確ではない。
だから、前回の復習の時は、そうしたワークは省いていました。
今回、DVDを見直していても、体が覚えてないのは同じなのですが、
何度もDVDによって見直すことができるので「とりあえず、この通りやってみるかな」
という気持ちにはあるので、その辺を前回の復習にプラスしながらやっています。

分からなくてもやってみれば何か発見があるのがシステマだと思っています。
そして、そこがシステマの面白さの一つだとも思っています。

次回は6月4日、鎌倉武道館の柔道場となりますので、
よろしくお願い申し上げます。

2016年5月11日水曜日

システマの「ステイト」とは(ロシア語的分析)

ブログの更新、ちょっとご無沙汰してしまいました。
以下の文章を書きかったのですが、ロシア語を入力するのが
面倒でついつい時間が経ってしまいました。

さて本題。この数年、システマ用語として定着してきたのが、
state(ステイト)という言葉です。

初めて聞いたのは、2013年のインターナショナルキャンプだったと思います。
インストラクターのザイコフスキーが
「ステイトの作り方」を教えてくれたのが最初です。
その時、「えっ、ステイトって何」と思ったものです。
ステイトとは訳せば「状態」ということなのですが、
「ステイト(状態)を作る」とは、どういうことなのか、
なかなかピンときませんでした。
やっていることは立った姿勢を整えていくこと。
だから、日本の武道的に言えば「自然体」が近いと思っていました。

4月にミカエルが来日した時に、「state」をロシア語で
「состояние」(サスタヤーニエ)と言っていたと、
システマ東京インストラクターのタカさんから聞いて
何か腑に落ちるところがあったのです。

ということで、今日はナンチャッテ言語学者として、
ステイトの意味をロシア語から考えてみたいと思います。

「состояние」の語根は、
「ста-」「стой-」「стоя-」で、
英語でいうところの「stand」の意味を持つ語根です。

動詞「стоять」(スタヤーチ)は「立っている」という意味です。
(ロシア語学習者には基本単語のひとつ)
名詞「стояние」(スタヤーニエ)は「立つこと」です。

接頭語「с(со)」というのは「共に(with)」の意味なので、
состояние」というと、字義通りに考えれば、
「共に立っていること」「共に立っている状態」、
そこから「状態」という意味になったのではないでしょうか。
ちなみに動詞「состоять」(サスタヤーチ)は、
「(ある状態に)なる」という意味になります。

システマでの「ステイト」も「立った状態」から作っていきます。
まさに「состояние」だったのです。

「состояние」は露和辞典で調べると、
①ある位置にあること
②状態、形勢、状況、有様
ここは、これまでの説明でなんとなく分かると思います。

この単語は「立つ」という人間にとっての普遍的な動作の派生語ですが、
その指している状態とは、体の状態や平常の状態だけではなく、
形容詞等をつければ、天候、液体や個体の状態、市況なども指します。
他にも単語として、心の状態やふところの状態、社会の中での〝状態〟も指すようで、
辞典には以下の意味も出ています。
③精神状態、気持ち
④身代、財産
⑤地位や身分
と書いてあります。
つまり、ありとあらゆる状態・状況が含まれるわけです。

僕はステイトを「立った状態を整える」というところから習ったため、
上記のように「ステイト=システマ風自然体」と勝手に捉えていたのですが、
ロシア人たちは「состояние」と言われて、
もっといろんな意味で捉えていたのだなということが初めて分かりました。

ザイコフスキーのセミナーに出ると、ステイトの延長(?)で、
単に自分の立っている状態だけではなくて、動いている状態、
はたまた、まわりの空間や、相手や自分の心がどうなっているか、
それを意識することをアドバイスされることがあります。

それらが全てバラバラなことではなくて、
「состояние」ひとことで現れされるのだ――
そう思い当たった時に、目からウロコでした。
それが「ステイトを整える」とか「ステイトを作る」ということなのかと。
素人考えなので間違っているかもしれませんが、
当たらずとも遠からずかと思っています。

ちなみに、この語根には「なる」「ある」という意味があるため、
同類の語根「стой-」からは、
「стоить」(ストーイチ)という単語があります。
これはロシアに旅行する際には絶対に覚えておくべき単語で、
「値打ちがある」という意味です。旅行では、
Сколько стоит?(スコーリカ ストーイト)とよく使います。
英語でいえば、How much? です。
この語根の派生語はたくさんあるのですが、残りはそのうちに。

考えてみれば、英語のstateも「st-」というのが「立つ」という意味のある
語根で、そこからstandやstatue(彫像)という単語が生まれます。
欧米人ならば、stateと聞いた時に、
もしかしたらいろんな状態を想像できるのかもしれません。

写真は参考にした「Roots of the RUSSIAN Languege」。
(19ドルもするのに、安い紙で、印刷も汚く、日本ではありえない本)
英語学習用だと「派生語から覚える英単語」みたいな本がたくさんあるのですが、
ロシア語だとないのが残念です。

上記ロシア語のカタカナ表記は「パスポート初級露和辞典」を参照しました。

今日は長い文章読んでもらいまして、ありがとうございました。