2019年10月4日金曜日

国際セミナーでは何をやったのか・その3

今回の国際セミナーでは「祈りと呼吸を合わせろ」というのが肝でした。
こういうと、システマを知らない人は、
「やっぱり、システマはトンデモ武術だったぁぁぁ!」と思う人も多いでしょうし、
それを非常に懸念するのですが、
システマがロシア正教を影響を非常に受けているので、
自分はさほどには驚いていません。

もう5年ぐらい前になると思います。
ミカエルが来日セミナーをした時に、システマ湘南の当時常連だったCさんが、
懇親会でミカエルに質問しました。
「システマの呼吸は、ロシア正教の祈りの呼吸と一緒なんじゃないんですか?」
そしたら、ミカエルは
「それが知りたければ、明日の昼休みに来てくれ、説明するから」と。
Cさんは横浜の日本正教会で改宗した正教徒でした。

次の日の昼休み、
ミカエルはCさんにロシア正教の祈りの呼吸とシステマの関係を説明してくれて、
自分が持っていたコンボスキニオン(チョトキともいう)をCさんにあげました。
(いつもミカエルがセミナーの時に手首に巻いている数珠のようなものです)

この時、Cさんがミカエルに尋ねたのがまさに「イイススの祈り」でした。
私はCさんに「ロシア正教の呼吸法について詳しいですね」と聞いたら、
「この本が参考になりますよ」と教えてくれたのが「無名の巡礼者」という本でした。

いま、Amazonで見ると1万円以上はするのですが、当時は3000円ぐらいで買えました。
短い祈りを繰り返していくという、今回のセミナーでミカエルが提示した同じ方法が
書かれています。とはいうものの、いまだ私の本棚で眠ったままです(笑)。

正教で行われているイイススの祈りがどのようなものであるのか、
セミナー2日目の終わりに、修道女の方が来て説明したのですが、
ロシア語と英語でまったくわかりませんでした。
日本に帰ってきて、調べたら、名古屋の正教会で説明されていたことが当てはまります。
呼吸に関する部分だけ抜粋します。

〈祈りのリズムと呼吸を合わせることです。全体としては、霊的な指導者なしにこのテクニックを用いることはお勧めしません。しかし、一番シンプルなテクニック、前半で息を吸い、後半で息を吐くことならできるでしょう。「主イイススハリストス神の子よ」で息を吸い、「我罪人を憐れみ給へ」で息を吐きます。これ以上複雑な方法はエキスパートの指導者のもとで個人的な霊的指導を受けながら行ってください。イイススの祈りを呼吸に合わせるのは、体を祈りにとりこむ目的があります。祈りを私の呼吸と同じように、規則的で自然で、本能的な要素にするためです。私が「祈る」のではなく、私が祈りになるのです。もはや私ではなく、私の内にあるハリストスです。これがイイススの祈りの目的です。私の祈りはイイススの祈りと一体になります。〉

ここでは正式な祈りのセリフをもとに説明されていますが、「主よ」で息を吸い、「憐れめよ」で息を吐くというのは、当然ながらミカエルの説明とまったく一致します。

詳しく知りたい方は、以下のページにアクセスしてみてください。(つづく)
nagoya-orthodox.com/ja/正教の霊性は人格をどうとらえるか_イイススの祈りの実践.htmlあr

国際セミナーでは何をやったのか・その2

ミカエルが祈りのセリフを唱えながらワークをするように、と言ったわけですが、
では、何を唱えればいいのか。

ミカエルおすすめは、東方正教会に伝わる「イイススの祈り」です。
日本語:主よ、われを憐めよ
ロシア語:Господи, помилуй(ゴスパジィ・パミールイ)
英語:Lord have mercy(なぜかセミナーでは、God Blessと訳されていた)

でも、ミカエルは「正教にこだわることはなく、
各国に神へ捧げる祈りはあるのだろうから、それでいい」と言っていました。

日本で言えば、仏教では「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」あたりでしょうか。
神道だったら、神社でお参りする時の言葉「はらいたまえ きよめたまえ」
もしくは、大祓詞の冒頭「たかあまはらに かむづまります」などはいかがでしょうか。

スピリチュルの世界では「〝ありがとう〟を5万回言うと、奇跡が起こる」という話も
あるそうですから「ありがとう」を繰り返すのでもいいと思います。

この手のセリフを唱え続けるというのは、瞑想法にはつきもので、
ちょっと瞑想を齧った人だったら「マントラを唱えながら瞑想する」手法は
知っていると思います。

マントラとは呪文のことですね。
般若心経に後半に出てくる「ギャーティ ギャーティ ハラソウ ギャーティ」
というのもマントラです。

マントラを唱えながら瞑想すると、雑念が起きにくいと言われています。
マントラは唱えやすいものであれば何でもいいと言っている人もいます。
極端な話、「カレーライス」でも「寿司」でも、好きな女の子の名前でもいい。
あまり具体的なモノの名だと、かえって雑念が湧いてしまうかもしれませんね。

大切なのは唱えやすいことだと思います。
「南無阿弥陀仏」も「なむあみだぶつ」と唱える人はいない。
宗派によっても違うのでしょうが、「なんまんだー」とか「なんまいだー」とか。

音的にいえば、「なんみょーほうれんげーきょー」も言いやすい。
「なんみょー/ほうれんげいきょー」はそれぞれ音が「U」で終わっていて
韻を踏んでいるからです。
美輪明宏さんによれば、どうも最強のお題目らしいです。

よくシステマでは「頭をからっぽにしろ」「考えるな感じろ」と言われます。
頭をからっぽするということは、雑念を捨てることでもあります。
呼吸をしながら、マントラを唱え続けることは、「雑念を払う」という意味だけでも
効果がありそうな感じもしますが。

さて、あなたはやってみますか?
どの言葉を選びますか?
(つづく)
↑国際セミナーでのミカエル


2019年10月3日木曜日

国際セミナーでは何をやったのか・その1

早いもので、モスクワセミナーから帰国してもう2週間が経とうとしています。

今回のセミナーはかなりシェアしずらい、というか、
誤解を生むような内容も含まれているため、何を書こうと悩んでいて、
システマ東京の北川さんやシステマ吉祥寺の西部さんの書いたものなどを読んで、
ここまでは書いてもいいのかなという内容と、私の解釈を書いてみようと思います。
(すでにフェイスブックでは一部書いています)

これまでミカエルが教えてくれたシステマには、2つの次元がありました。

ひとつが「エクスターナル」、フィジカルの次元で体の動かし方を鍛えるレベル。
二つ目が「インターナル」、センシティブ(感覚)の次元、内観をメインにしたレベル。
ミカエルの考え方では、その上にスピリチュアルな次元があるということでした。
一口でいば(ザイコフスキー的に言えば)「神の声を聞け」ということです。

こう書いてしまうと、「何、それ、インチキくせぇぇぇぇ」と思われるかもしません。
でも、これまでシステマの練習をしてきた人は思い出してください。

システマでは姿勢を重要視して、姿勢を正して、胸を広げ、意識を広げます。
(オープン・マインド)
自分が立っているところの床→壁→天井→屋外にまで意識を広げてきます。
(これまでの練習はここまで)
それを、もっと、どんどん意識を広げていけば、最終的には宇宙に行ってしまう。

宇宙まで意識がつながっていく。私自身はこう考えて、
それがミカエルの言うところの「神」を意識するということではないかと思ったのです。

まあ、国際セミナーには日本語の通訳はいないし、
英語もロシア語もよく分からないので、
ミカエルが細かくどう話しているかは分からないのですが、
ワークとして以下のようなものです。

ワークをしながら「祈り」の言葉を言う。実際には心の中でつぶやくわけです。
「四大運動、50回ずつやって」「もう50回やって」「また50回やって」と言われる中で、
プッシュアップ、スクワット、レッグレイズ、シットアップを
常に「祈り」を唱えながらやり続ける。

大切なのは、まず呼吸と動作を合わせること。呼吸が全身くまなく通っていること。
それがちゃんとできるようになったら、祈りのセリフに合わせます。

祈りのセリフとは何なのか。
セミナーでは東方正教会に伝わる「イイススの祈り」を教えられました。
日本語訳でいえば、「主よ、われを憐みたまえ」(短縮形)というものです。
日本正教会では「主、憐れめよ」と祈っているらしい。
正式には「主イイスス・ハリストス、神の子よ、我、罪人を憐れみ給え」です。
ワークをするには、短縮形でよくて、
「主よ」で吸って、「われを憐みたまえ」で吐く。

ロシア語では『Господи, помилуй』(ゴスパジィ・パミールイ、
ローマ字で表記すると、Gospodi pamilui)と言います。
音だけ聞くと、「ゴスパミパミリ」とも聞こえます。
英語だと「Lord have mercy.」です。

なぜかセミナーの通訳は「God Bless」と訳していました。
これは「God bless you」の略で「あなたに神のご加護がありますように」という意味。
くしゅみをした時に、外国人の友人から「お大事に」という意味で言われたことが
ある人もいるかもしれません。
ですから、祈りという意味では、ちょっとニュアンスが違うかもしれません。
(つづく)

モスクワセミナーで、モスクワのマスター・ミカエルと、トロントのマスター・ブラッドとのスリーショット。