2015年3月5日木曜日

システマは「社会全体を向上させる」!?

前回、紹介した「小説新潮」連載中の『カーガー』ですが、
3月号では、システマの本質をつくような名セリフを
主人公のカーガー(景村瞬一)が語っています。

そのいくつかを紹介してみたいと思います。

「システマには“poznai sebia”、つまり己自身を知るという意味がある。
己さえ知らぬ己をどこまでも追求する。
何物をも破壊しないという、ただその原理のために、
肉体と精神、ひいては社会全体を向上させる。
それこそがシステマの永遠の目的なのだ」

「システマにおける理想とは、高度な戦闘技術、強靭な精神、
健全な肉体の三つの要素が相乗的に融合されることによって実現される。
そゆえにシステマを学んだ者は、
破壊ではなく向上と創造を目指す。
その魂が、自ずと光へと向かうのだ

システマ東京のインストラクターの北川貴英さんが
「よく勉強している」というだけのことはあります。

3月号の第6回では、中国の暗殺部隊に襲われた景村が、
皮状の紐で首を絞められてしまい、気管をつぶされたために、
呼吸ができなくなり、危機に陥いるシーンがあります。

我々の世代でいえば、風力がなくて変身できない仮面ライダー、
太陽エネルギーがないウルトラマン、水分がないアイアンキング、
といった感じで、「ヒーローには弱点がつきもの」というルールが
ここでも生きていて、システマといえども万能ではないことが示されているのが
面白ろかったですね。

さて、先の景村のセリフですが、
システマの愛好者としては、思わずうなづいてしまうセリフです。
しかし、システマを知らない人たちは、どう読まれるのでしょうか。
あまりにも綺麗ごとのように思われてしまうかもしれません。

なかなか「魂が光へ向かう」ことは難しいかもしれませんが、
システマを趣味としている者として、
みなさん「向上と創造」は目指していこうではありませんか。

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