2014年10月8日水曜日

失明の危機とシステマ

今週の10月11日、システマ湘南を開催します。
2ヶ月ほど網膜剥離で休んでしまいましたが、
今後ともみなさん、よろしくお願い申し上げます。
おかげさまで、矯正視力で1.2まで回復しました。

「網膜剥離」は、ボクサーなどがよくかかる症状で、
昔は失明してしまうこともありました。
最近では、98%から99%の確率で一回の手術で治るようです。

ただ、僕の場合は、左眼の手術中に脈絡膜出血というのを起こしてしまい、
手術の翌日、左眼は光を感じるものの、視界は見えなくなっていました。

脈絡膜出血というのは聞きなれないと思いますが、
ネットで以下のように書いている方がいました。

●駆逐性出血 (駆出性出血、脈絡膜出血とも言う)
手術中、前触れなく突如として目の奥から出血が起きるもので、
手術する医者に落ち度がなくても起きます。一度出血が始まると、
出血の勢いで目玉の中身がメスの切り口から一気に飛び出してきて、
失明かそれに近い状態になってしまい、回復もほとんどありません。
ただ、実際に起きる確率は数万人から数十万人に一人と言われており、
ほとんどの医者は実例を見たことがなく、聞いたことがあるだけだと思います。

執刀してくれた先生もかなり深刻な様子でした。

回復後に医師の先生から
「他には起こりえないことが起こって、
普通はあのような状態になると、
欝になったり、落ち込んだりして、大変なのに、
淡々とされていて、すごいと思いました。
尊敬しますよ」と言われました。

落ち込まずにいられたのは、ひとつには30代の頃から読んでいた
中村天風師の教えがあります。
「何かあるのが人生だ」という言葉が好きで、
人生とはそういうものだと普段から思っているからです。
天風師がよく引用した山岡鉄舟の句も好きです。
「晴れてよし曇りてもよし富士の山 もとの姿は変わらざりけり」
何があっても自分の価値は失われることがないのだという意味です。

病室でひさしぶりに天風師の本を読み、CDを聞き、励まされました。

それと同時に、多くのシステマの仲間がお見舞いにも来てくれて、
またフェイスブックなどで励ましてくれたのも心の支えになりました。

システマそのもの、サヴァイブの考えも私の支えとなりました。
心を乱さずに澄んだのも、「生き残れてさえいればいい」という姿勢が
身体を通して身についていたこともあるのではないかと思ってます。
たとえ、自分が何かを(光を)失っても、自分に残されたもので、
サバイバルしていこうという姿勢が、
自分自身を救ってくれたような気がしています。

こういう心の強さを育ててくれるものこそ、
「本物」ではないでしょうか。

こんなことを気楽に書けるのも、
視力が回復しているからなのでしょうが……。

0 件のコメント:

コメントを投稿