2016年6月23日木曜日

システマ軍隊格闘術なのに習得に時間がかかる?

先日、システマ銀座のクラスに参加しました。
インストラクターのAさんによる、
ルーマニア軍のナイフ格闘術のシェアクラスでした。

ナイフの刺し方、どこが急所かなどを教えてもらいました。
考えてみれば、システマではナイフの持ち方など具体的なことは教えません。

そこで最後に質問がありました。
「他の軍隊格闘技では、今日のルーマニア軍のナイフ術でも、
イスラエルのクラブマガでも具体的なことを教えます。
システマは軍隊格闘技なのに、それを使いこなすまでに時間がかかると言われている。
特に徴兵制ならば2年ぐらいのうちに使いこなさないといけない。
それで、本当に軍隊で役に立っているのでしょうか」

それに対する答えは、
1・実際に軍隊で教えているシステマはもっと違う可能性もある。
(普及しているのは、あくまでも民間に普及させるためのシステマだから)
2・そもそもロシア特殊部隊で教えられているもので、隊員たちはもともと他の
格闘技をやっているような人たちが多い。

質問者はその答えを聞いて、
「だったら、システマを上手くなるために他の格闘技もやったほうがいいのか」
という質問になって、その答えについては時間がなくなってしまいました。

私の考えで言えば、システマはロシア軍格闘術という側面はあるものの、
その第一義的な重要性は生存率を伸ばすことにあると考えています。

同じ格闘術を持っていても、戦場でパニックなり、緊張してしまえば、
戦闘能力を十分に生かすことは出来ません。
システマのリラックス、呼吸、姿勢、動き続けることの四大原則が、
パニックにならなずに、自分の能力を生かすことにつながるのだと思っています。

新兵でも同じだと思います。リラックスさえできていれば、
危機的状況を乗り越える可能性がアップするのではないかと思います。
一番いけないのは、パニックに陥って、今ある自分の能力を生かせないことでしょう。

だから、私はシステマはアプリではなくて、OSだと思っています。
そのOSによって、自分のアプリがよりよい環境で動くことが出来るのです。

システマを学んでもすぐ強くなれるわけではないと思います。
でも、今ある自分が今あるそのままで、潜在能力を引き出すことが出来る。

今の多くの日本人は自分の足りないところにばかり目を向けて、
常に能力を付けたそうとしています。
そうではなくて、今あるままの自分でも何とかなることに気づかせてくれる。
システマの魅力のひとつはそこで、
だからこそ「自分が好き」になれる格闘術だと思っています。

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