2016年3月24日木曜日

「やってやろう」と思わないこと

3月19日から21日まで、東京でシステマLAのインストラクター・三谷さんの
セミナーがありました。
システマLAはマーティン・ウィラーというインストラクターが代表なのですが、
このマーティンのDVDを見ていると、三谷さんがデモの相手として出ています。

三谷さんは日本人としても小柄なほうなのですが、
にもかかわらず、大柄なアメリカ人相手に指導しているのですから、
そのテクニックは非常に参考になるものが多いです。

システマの他にも、柔道、BJJ、ジークンドー、MMAなども経験されていて、
いろいろと研究熱心な方です。

今回のセミナーは20日のみ参加。
他に16日に行われたBJJをシステマ的に解釈したクラスと、
22日に少人数で行われたクラスに参加しました。

三谷さんは、運動能力、運動神経、体力ともにずば抜けています。
しかし、身長はたぶん165センチ前後なので、
パワーは大柄な人には負けるのではないかと思います。
しかし、そのストライク(パンチ)はどんな大柄な人でも崩してしまいます。

効かせるストライクを打つためには「リラックスすることだ」と三谷さんは言います。
私も分かってはいるのですが、そこが難しい。
「やってやろう」とか「相手を倒してやろう」とか思うと、
それがテンションになるので、効かせるストライクが打てないと。

何度もこのブログで書いていますが、
システマでは「カーム(穏やかな)」(ロシア語で「スパコイイ」)と言います。
そういう気持ちで、ストライクを打たないといけないのです。

三谷さん自身も試合のある格闘技を長くやってきたため、
「やってやろう」という気持ち、メンタル的な側面を修正するのに苦労したと言います。
私が中国武術の八極拳をやっていた頃、師匠から、
「君の突きは迫力が足りない。もっと相手を『ぶっ殺してやろう』という意識で打て』と、
よく注意を受けました。
一人で型を演じていて、なおかつそこに相手がいるように思って、
「ぶっ殺してやろう」という意識を持つのはなかなか大変でした。

このように、多くの武道や武術では「ぶっ殺してやろう」とか「やってやろう」という
相手を倒すという意識を持つのが大事になるかと思います。
少なくとも街で喧嘩をする場合でも、五分五分の実力だったら「ぶっ殺す」と思ったほうが
間違いなく勝つでしょう。7分3分でも3分が「ぶっ殺す」と思えれれば勝てる思います。

ところが、システマはそういう気持ちを持つと、居ついて威力がそがれると言います。
「本当?」と思われるかもしれませんが、システマをやってきて、
上手い人のストライクを受ければ受けるほど実感します。

メンタル的には決して攻撃的にはならない。
かといって防御的になるわけでもない。
あくまでも穏やかな境地のまま、相手の攻撃をさばいて、返していく。
言ってみれば、武道小説に出て来るような達人の境地をいきなり初心者から求めるのが
システマなのです。

だからこそ、システマは面白いともいえるのですが。

次回3月26日のシステマ湘南のクラスでは、
三谷さんのクラスでやったストライクの練習をします。
よろしくお願いします。

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