2018年8月2日木曜日

やっぱりシステマの説明は難しい

先月のビーチシステマが終わってから1カ月。

江ノ島で練習中に、たまたま日本テレビの『月曜からの夜更かし』のカメラマンに
見つかって、いろいろ取材を受けたわけです。
放映されるかどうか分からないし、放映されたとしても1分ぐらいだとは思うのだけど、
システマの説明は難しいなと改めて思った次第です。

まずカメラマンが関心を持ったのはマスアッタク。
みんなで、パンチで叩き合うわけですが、
「何をしているんですか?」
「どんな状況でもリラックスできるようなトレーニングですね」
「リラックスですか????」
「システマは四大原則とあって、姿勢、リラックス、動き続ける、呼吸なんですが、
お互いに叩き合う状況でも、姿勢を壊さず、呼吸をつづけ、動き続ける。
あとは大切なのは、リラックスなんです。体を緊張させないことです」
「緊張ですか????」
「システマって、普通の武道だとまずパンチから練習するじゃないですか。
そうじゃなくて、パンチの恐怖心をなくすために、打たれることから練習するんです。
恐怖心が緊張を生みから、まずはリラックスすることで緊張しないようにします。
それをもっと大勢でやっている感じですかね」
「あ、僕(カメラマン)は少し柔道やっていたので、要するに攻撃から身を守る
受身の練習をやっているということですね」
「受身ですかあ……まあ、そう思ってもらってもハズレではないですが」

人間は学習したこと、自分の体験でしか、ものを理解できないと思っています。
カメラマンの方は、受身として理解したのだと思うのですが、
他に理解のさせようがなかったのだろうかと反省した次第です。

マスアタックは浜辺でのドリルだったが、海中でのドリルでは、
以下のようなドリルを行いました。

膝ぐらいの深さのところで四つん這いになってもらい、
パートナーの頭を海中につけて10秒数えて腹部や背部にストライク、
その後、頭を海中に出して3秒ほど呼吸させ、また海中に頭を突っ込む。

見ようによっては、よく映画などで、敵方のスパイから情報を聞き出すために、
風呂場でやっているような拷問に近いとも見える。

このドリルを見たカメラマンが側にやってきて、嬉しそうにこういう。
「これは拷問に耐えるための練習だそうですね」
「えっ、違いますよ」
「違うんですか」
「誰かがそんなことを言いましたか」
「はい」
「それは違います。これもこうしたストレスフルな状態で、呼吸が出来なくても
リラックスするための練習です」
「はあ、リラックスですか」
「はい、システマはどんな状態でもカームであること。緊張しないこと、
リラックスすることを目ざしています。それがサバイバルに通じると考えていますから」
こんな感じのことを説明したのだけど、「はあ~」という感じでした。
実際のあの程度の練習で拷問に耐えられるようになるわけがない。
テレビとしては「拷問に耐える練習」という方がウケるんだろうね。
それを発言した参加者に確認したら、「ウケると思ったから」と言っていました。
でも、それだとシステマそのものが誤解されてしまう。

最初のマスアッタクも「集団戦での白兵戦の練習です」と
言ったほうがウケたのだろうけど、そういう説明はしたくありませんでした。

「リラックス」とか「緊張しない」ではなくて、
「サバイバルのために、どんな状況でもパニックにならない練習ですよ」と
言えばよかったと後から反省しています。
どうしたら、相手が理解しやすいか、なかなか難しいですね。

というわけで、テレビに放映されるのかどうか気になりつつも、
もっとうまく説明できなかったのだろうかと考える今日この頃です。

→結局、テレビでは放映されませんでした。残念。

「拷問」のシーンを撮るカメラマン↑ 拷問ではありません。

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