2019年11月8日金曜日

国際セミナーでは何をやったのか・その4

前回、書いた時から一カ月が経ってしまいました。

間が抜けてしまいましたが、「つづき」です。
今回は具体的なワークについて書いてみます。

結局、今回の国際セミナーでは「祈り」というテーマでしたが、
ミカエルが主にやったワークは2つ。

1・何十回と4大ワークを「祈り」と呼吸を合わせながら行うものというもの。

2・2人1組となって、パートナーが関節技をかけてきます。
痛みが走りますから、それを呼吸(バーストブリージング)で散らします。
ここまでは今までも普通のワークでやっていますから、経験者も多いでしょう。

しかし、ミカエルは「その痛みの背景にある〝恐怖〟といったものは、
呼吸だけは取り除かれない」と言います。

「恐怖」や「恐れ」「恨み」といったものは、その人の生い立ちやトラウマや家族関係
からも生まれていて、それを本当に取り除くには「祈り」が必要だというのです。
ですから、ワークとしては「パートナーに関節技をかけてもらって、呼吸で痛みを
散らす。しかし、それでも感じる痛みは呼吸しながら〝祈り〟によって癒す」という
ことになります。

練習するパートナーがいるならば(2)を、
1人で練習するならば(1)を推薦していました。

モスクワからの帰国後、システマ湘南でよく行っていたワークは「歩きのワーク」です。
「1歩で吸って、1歩で吐く」から始まって、「2歩で吸って、2歩で吐く」と
歩数をあげていって、最終的には「15歩で吸って、15歩で吐く」という例のアレです。

これを祈りに合わせていく。
「ゴスパジィ・パミールィ」と祈るならば、
「ゴスパジィ」で吸いながら1歩、「パミールィ」と吐きながら1歩……
「ゴスパジィ」と吸いながら2歩、「パミールィ」と吐きながら2歩……
歩数を上げてきます。当然、2歩、3歩、4歩と歩数が上がっていくにつれて、
「ゴースーパージーィ」と祈りもゆっくりと、唱え方が伸びていくわけですが、
途中で何歩目だからわからなくなります。
だから、ミカエルは指で「歩数を数えてもいい」と言っていました。

祈りながら、呼吸をしながら、歩いて行くと、他のことは何も考えられなくなります。
要するに、頭が空っぽの状態に近くになっていくのがわかると思います。

システマのいうところの「何も考えるな」を感じるには、
いいワークだと思っています。

「祈り」の声聞は何でもいいようなので、よかったら試してみてください。

「オカルトチック」で、このようなワークを嫌う人もいるでしょう。
ミカエルもそれはよく分かっているようでした。

「私が変なことを言っていると思う人もいるでしょう。
しかし、これは私が体験から得た間違いなく効果のある方法です。
私はそれをあなたがたに教えただけです。
やるかやらないかは、あなたたちの自由です」
と言っていました。

とりあえず、国際セミナーのワークの話はこれで「おわり」ます。

ミカエル、ヴラッド、とても楽しい国際セミナーありがとうございました。
湘南のメンバーのみんなと記念撮影。





2019年10月4日金曜日

国際セミナーでは何をやったのか・その3

今回の国際セミナーでは「祈りと呼吸を合わせろ」というのが肝でした。
こういうと、システマを知らない人は、
「やっぱり、システマはトンデモ武術だったぁぁぁ!」と思う人も多いでしょうし、
それを非常に懸念するのですが、
システマがロシア正教を影響を非常に受けているので、
自分はさほどには驚いていません。

もう5年ぐらい前になると思います。
ミカエルが来日セミナーをした時に、システマ湘南の当時常連だったCさんが、
懇親会でミカエルに質問しました。
「システマの呼吸は、ロシア正教の祈りの呼吸と一緒なんじゃないんですか?」
そしたら、ミカエルは
「それが知りたければ、明日の昼休みに来てくれ、説明するから」と。
Cさんは横浜の日本正教会で改宗した正教徒でした。

次の日の昼休み、
ミカエルはCさんにロシア正教の祈りの呼吸とシステマの関係を説明してくれて、
自分が持っていたコンボスキニオン(チョトキともいう)をCさんにあげました。
(いつもミカエルがセミナーの時に手首に巻いている数珠のようなものです)

この時、Cさんがミカエルに尋ねたのがまさに「イイススの祈り」でした。
私はCさんに「ロシア正教の呼吸法について詳しいですね」と聞いたら、
「この本が参考になりますよ」と教えてくれたのが「無名の巡礼者」という本でした。

いま、Amazonで見ると1万円以上はするのですが、当時は3000円ぐらいで買えました。
短い祈りを繰り返していくという、今回のセミナーでミカエルが提示した同じ方法が
書かれています。とはいうものの、いまだ私の本棚で眠ったままです(笑)。

正教で行われているイイススの祈りがどのようなものであるのか、
セミナー2日目の終わりに、修道女の方が来て説明したのですが、
ロシア語と英語でまったくわかりませんでした。
日本に帰ってきて、調べたら、名古屋の正教会で説明されていたことが当てはまります。
呼吸に関する部分だけ抜粋します。

〈祈りのリズムと呼吸を合わせることです。全体としては、霊的な指導者なしにこのテクニックを用いることはお勧めしません。しかし、一番シンプルなテクニック、前半で息を吸い、後半で息を吐くことならできるでしょう。「主イイススハリストス神の子よ」で息を吸い、「我罪人を憐れみ給へ」で息を吐きます。これ以上複雑な方法はエキスパートの指導者のもとで個人的な霊的指導を受けながら行ってください。イイススの祈りを呼吸に合わせるのは、体を祈りにとりこむ目的があります。祈りを私の呼吸と同じように、規則的で自然で、本能的な要素にするためです。私が「祈る」のではなく、私が祈りになるのです。もはや私ではなく、私の内にあるハリストスです。これがイイススの祈りの目的です。私の祈りはイイススの祈りと一体になります。〉

ここでは正式な祈りのセリフをもとに説明されていますが、「主よ」で息を吸い、「憐れめよ」で息を吐くというのは、当然ながらミカエルの説明とまったく一致します。

詳しく知りたい方は、以下のページにアクセスしてみてください。(つづく)
nagoya-orthodox.com/ja/正教の霊性は人格をどうとらえるか_イイススの祈りの実践.htmlあr

国際セミナーでは何をやったのか・その2

ミカエルが祈りのセリフを唱えながらワークをするように、と言ったわけですが、
では、何を唱えればいいのか。

ミカエルおすすめは、東方正教会に伝わる「イイススの祈り」です。
日本語:主よ、われを憐めよ
ロシア語:Господи, помилуй(ゴスパジィ・パミールイ)
英語:Lord have mercy(なぜかセミナーでは、God Blessと訳されていた)

でも、ミカエルは「正教にこだわることはなく、
各国に神へ捧げる祈りはあるのだろうから、それでいい」と言っていました。

日本で言えば、仏教では「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」あたりでしょうか。
神道だったら、神社でお参りする時の言葉「はらいたまえ きよめたまえ」
もしくは、大祓詞の冒頭「たかあまはらに かむづまります」などはいかがでしょうか。

スピリチュルの世界では「〝ありがとう〟を5万回言うと、奇跡が起こる」という話も
あるそうですから「ありがとう」を繰り返すのでもいいと思います。

この手のセリフを唱え続けるというのは、瞑想法にはつきもので、
ちょっと瞑想を齧った人だったら「マントラを唱えながら瞑想する」手法は
知っていると思います。

マントラとは呪文のことですね。
般若心経に後半に出てくる「ギャーティ ギャーティ ハラソウ ギャーティ」
というのもマントラです。

マントラを唱えながら瞑想すると、雑念が起きにくいと言われています。
マントラは唱えやすいものであれば何でもいいと言っている人もいます。
極端な話、「カレーライス」でも「寿司」でも、好きな女の子の名前でもいい。
あまり具体的なモノの名だと、かえって雑念が湧いてしまうかもしれませんね。

大切なのは唱えやすいことだと思います。
「南無阿弥陀仏」も「なむあみだぶつ」と唱える人はいない。
宗派によっても違うのでしょうが、「なんまんだー」とか「なんまいだー」とか。

音的にいえば、「なんみょーほうれんげーきょー」も言いやすい。
「なんみょー/ほうれんげいきょー」はそれぞれ音が「U」で終わっていて
韻を踏んでいるからです。
美輪明宏さんによれば、どうも最強のお題目らしいです。

よくシステマでは「頭をからっぽにしろ」「考えるな感じろ」と言われます。
頭をからっぽするということは、雑念を捨てることでもあります。
呼吸をしながら、マントラを唱え続けることは、「雑念を払う」という意味だけでも
効果がありそうな感じもしますが。

さて、あなたはやってみますか?
どの言葉を選びますか?
(つづく)
↑国際セミナーでのミカエル


2019年10月3日木曜日

国際セミナーでは何をやったのか・その1

早いもので、モスクワセミナーから帰国してもう2週間が経とうとしています。

今回のセミナーはかなりシェアしずらい、というか、
誤解を生むような内容も含まれているため、何を書こうと悩んでいて、
システマ東京の北川さんやシステマ吉祥寺の西部さんの書いたものなどを読んで、
ここまでは書いてもいいのかなという内容と、私の解釈を書いてみようと思います。
(すでにフェイスブックでは一部書いています)

これまでミカエルが教えてくれたシステマには、2つの次元がありました。

ひとつが「エクスターナル」、フィジカルの次元で体の動かし方を鍛えるレベル。
二つ目が「インターナル」、センシティブ(感覚)の次元、内観をメインにしたレベル。
ミカエルの考え方では、その上にスピリチュアルな次元があるということでした。
一口でいば(ザイコフスキー的に言えば)「神の声を聞け」ということです。

こう書いてしまうと、「何、それ、インチキくせぇぇぇぇ」と思われるかもしません。
でも、これまでシステマの練習をしてきた人は思い出してください。

システマでは姿勢を重要視して、姿勢を正して、胸を広げ、意識を広げます。
(オープン・マインド)
自分が立っているところの床→壁→天井→屋外にまで意識を広げてきます。
(これまでの練習はここまで)
それを、もっと、どんどん意識を広げていけば、最終的には宇宙に行ってしまう。

宇宙まで意識がつながっていく。私自身はこう考えて、
それがミカエルの言うところの「神」を意識するということではないかと思ったのです。

まあ、国際セミナーには日本語の通訳はいないし、
英語もロシア語もよく分からないので、
ミカエルが細かくどう話しているかは分からないのですが、
ワークとして以下のようなものです。

ワークをしながら「祈り」の言葉を言う。実際には心の中でつぶやくわけです。
「四大運動、50回ずつやって」「もう50回やって」「また50回やって」と言われる中で、
プッシュアップ、スクワット、レッグレイズ、シットアップを
常に「祈り」を唱えながらやり続ける。

大切なのは、まず呼吸と動作を合わせること。呼吸が全身くまなく通っていること。
それがちゃんとできるようになったら、祈りのセリフに合わせます。

祈りのセリフとは何なのか。
セミナーでは東方正教会に伝わる「イイススの祈り」を教えられました。
日本語訳でいえば、「主よ、われを憐みたまえ」(短縮形)というものです。
日本正教会では「主、憐れめよ」と祈っているらしい。
正式には「主イイスス・ハリストス、神の子よ、我、罪人を憐れみ給え」です。
ワークをするには、短縮形でよくて、
「主よ」で吸って、「われを憐みたまえ」で吐く。

ロシア語では『Господи, помилуй』(ゴスパジィ・パミールイ、
ローマ字で表記すると、Gospodi pamilui)と言います。
音だけ聞くと、「ゴスパミパミリ」とも聞こえます。
英語だと「Lord have mercy.」です。

なぜかセミナーの通訳は「God Bless」と訳していました。
これは「God bless you」の略で「あなたに神のご加護がありますように」という意味。
くしゅみをした時に、外国人の友人から「お大事に」という意味で言われたことが
ある人もいるかもしれません。
ですから、祈りという意味では、ちょっとニュアンスが違うかもしれません。
(つづく)

モスクワセミナーで、モスクワのマスター・ミカエルと、トロントのマスター・ブラッドとのスリーショット。

2019年9月4日水曜日

システマ人口はどのくらい?

ちょっと前の話です(フェイスブックでも書いた話のほぼ再録)。

土曜日のクラスが終わった後、鎌倉武道館の更衣室で着替えていたら、
参加者のOさんが、弓道をやっているおじさんから質問されました。
「あんたたち何やっているの?」
「システマです」と答えたら「知らんなあ、それは何?」と言われたので、
一生懸命に説明していました。

Oさんは、
「知らないのも無理はないですよ。日本でも1000人ぐらいしかやっていないから」
と答えていましたけど、私は個人的な感覚では1000人もやっていません。

だいたいマスタークラスのセミナーで東京で150人、大阪で100人ぐらいが来ます。
この人たちがコアな層として250人。あとプラス何人いるかです。

私は以前、システマ大阪のインストラクターの大西さんに
「日本のシステマ人口400人ぐらいでしょう」と言ったら
「いくらなんでもそれは少なすぎる。ジャパンで100人、システマ東京で100人、
システマ大阪で100人ぐらいいるから、これで300人。あと100人ということは
いくら何でもない」と。
「じゃあ、500人ぐらいですかね」
「もっといるんとちゃうか」

九州に50人、四国に50人、中国に50人、近畿東海に50人、東北に50人、
北海道に50人として300人。600人というところでしょうか?

システマ人口は600人ぐらいではないか――ということをフェイスブックに書いたら、
「そんなにいるはずはない」という声もあって、
少なく見積もる人で200人ぐらいから、多くて500人ぐらいという感じでした。
400人から500人ではないかというのが、妥当な解答のようです。

一方で九州で50人と見積もりましたが、システマ福岡だけでも100人ぐらいいるそうで、
そうなると、もっといるかなとも思いました。

競技者団体があるグループだと、日本セパタクロー協会が522人、
日本カバディ協会が234人ですから、その中間ぐらいでしょうか。

しかし、日本はモスクワのインターナショナルセミナーでは、
ロシアを除けば、いつも参加者が最も多い国です。
海外インストラクターのセミナーの数も多く、マスタークラスが来日すれば、
東京では200人近くが集まります。
書籍やDVDも多く発売され、
愛好者500人だとしても、世界から「システマ大国」と呼ばれているのです。

インストラクターやIit(準インストクラター)も60人以上はいると思われます。
ロシアを除けば、こんなにインストクラターが多い国もないのでは?
もう少し広まってもいいような気もしなくもありません。

2019年8月15日木曜日

ザイコフスキー用語の捉え方

ザイコフスキーが作ったシステマ用語はいろいろとあります。
これらはトロント本部では使われていません。
たとえば、「コネクト」「ステイト」「インターナルフォーム」「フォーム」。

「インターナルフォーム」や「フォーム」は、ザイコフスキー以外に、
使っているモスクワのインストラクターを見たことがありません。

これらの言葉について詳しく聞いても、ザイコフスキーは教えてくれません。
「言葉にこだわるな。自分は本当は教えるのに言葉は使いたくない。
大人数を教えるために、仕方なく、言葉を使っているだけだ。
少人数であれば、言葉を使わないで教えられる」

でも――。
この1、2年はムーブメントという言葉も時々使います。
パワーではなくムーブメントを使え、とか。
普通に動いていると、それはパワーを使っていると言われる。
「動きではなく、ムーブメントって何なんだ?」と思いますよね。

モスクワのレギュラークラスに行くと、人数が少ないので、
ザイコフスキーに「何がムーブメントですか」と質問すると、
「かかってこい」と言われて、ボコボコにされて、
「これがムーブメント」だと言われます。

それで分かるほど、私の体は賢くないんですけど……。
言葉を使ってなくても、分かりづらいんですが……。

日本の武道の世界というと、江戸時代はともかく、
近代において、とにかく根性論や精神論が流行った。
練習の量だけをこなしていく。

それに対して、欧米では科学的なアプローチをしていく。
体に無理させることなく、最も効率よく鍛えていく。
現象を分析して、理論や理屈で教えていく。

一方で、モスクワの教え方というのは、日本の職人の世界っぽい。
とにかく、やってみて感覚で覚えていく。
ロシアというのは「感覚」の世界なんだな、と最近思います。

さて、ザイコフスキーの分かりづらい言葉をどう捉えていくのか。
最初はやっぱりイメージかと思っていました。

たとえば、フォームにしても「呼吸で体を満たす」と言われる。
呼吸って肺にしか入らないじゃないかと思って、
こういう時に「それはイメージなんですか」とザイコフスキーに聞くと、
かならず「イメージではない」という答えが返ってきます。
「それは実感なのだ」と。

だから、最近はもうこうした質問はしないのですが、
実感だと考えてしまうから、大げさに思ってしまうのですが、
いってみれば「感覚」(sence)なんですね。感じること。

イメージではなくて、感覚。

呼吸を満たすのも、感覚で捉える。

イメージだけだと思ってしまうと、その先には行かないし、行けない。
最初はイメージでもいいのだけど、感覚を追っていけば、
なんとなく、少しずつその感覚が分かってくるような気がします。

今さらながらの解説のような気もするのですが、
ザイコワークをやっていると、「それってイメージですか」と、
参加者から聞かれることも多いので、
自分なりの今の考え方を書いておこうと思いました。

人が本来持っているはずのもので、失っている感覚に、
ザイコフスキーは名前を与えているのかもしれません。

2019年8月14日水曜日

2019年前半ザイコフスキー蔵出し名言集

システマ大阪の大西インストラクターの大いなる進化を目の当たりにしました。
 「今年の台湾のザイコセミナーと、5月のミカエルセミナーがヒントになった」と
語っていました。

大西さんほどザイコから多くを吸収できているわけではありませんが、
今年の前半もザイコはなかなか良いことを言っていたなと思い、
私のメモから「ザイコの名言集」を収録してみました。
(聞き間違いもあるかもれません)

どんなワークか分からなくても、分かるようなものを集めています。
「何を言っているんだろう」と思われた方は、ザイコセミナーによく参加されている
インストラクターに聞いてみられるといいと思います。

2019年2月2日大阪
(以下は全てストライクのワーク)
「相手のイライラする先にあるものを自分は打たないといけない」
「(相手のパンチが来る)それをチャンレジとして受け取ってはいけない」
「自分への罰だと思ってストライクを受ける」
「相手から独立することは相手を無視することではない。
それは自由ではない。自由とは無視することではない。
限界を外すのが自由である意味」
「相手を思いやるのは自由度のある人しか出来ない」
「パンチする人はやりすぎない。やりなすぎるのも良くない」

2月3日大阪
(以下もストライクのワーク)
「肉と出会わずにターゲットに出会う必要がある」
「強くなくとも、軽くても、クリーンなのがいい」
「人にパンチする時に自分のインターナルが解放されないといけない。
インターナルがしまっていてはうまく出来ない」
「その人のためにやる。ポンとうまくできる」
「魂がオープンでなければいけない」

2月8日東京
「体ではなく、呼吸を動かそうとする」
「体の中に筋肉がないかのごとく、動きたい」
「ただ呼吸が体を動かしている」
「呼吸のまま動けば、適切な筋肉が動く」
「動きの自由度を感じてください」
「自分で自分の自由度を損ねない」
「体は影、心が本体」

2月9日東京
「何が起こっているのではなく、何を起こしたいのか」
「インターナルな頑張りを、日々の動きの中で減らしたい」
「インターナルな頑張りは、自己愛から来ている」
「一つ頑張りに気づいたら、一つなくしていく」
「動き始めと終わりが難しい」
「内側の頑張りがなければ相手は(こちらの動きを)感じない」
「うまく出来ているバロメーターは相手が微笑み出しているか」
「相手がやりたいと思っていることを普通に変えてあげる」
「クオリティが大事」
「相手に自分の体の一部を捧げる必要がない」
「自分のアクションではなく、自分の存在のなせる技だ」
「フィジカルなコンタクトの後に起こることが大事でなく、
その前に大事なことが起きている」
(相手をテイクダウンした時に)「相手を床に落としているのではなく、
相手に自分の自由を少しあげている」

2月10日東京
「ステイトの濃さに気づける能力を発展させたい」
(相手にロックされたら)「自分の自由度を自分で妨げなければ、
人間の体はそう簡単にロックできないようにできている」
(ロックされた状態でも)「やりたいことができることを
思い出してください」
「相手と非対称であることよりも自由であることと言いたい」

2月11日東京
「自分がやっている努力と成果が正比例すると思わない方がいい」
(この場合の努力とは『頑張った努力』ということ)
「頑張ってパワーを出すものではない。クリーンであればあるほどいい」
「(人間の体を)音のなるピアノだと思って、鍵盤を一つ二つと、
叩いて遊んでみる」
「鳴らなければ音は聞こえてこない」
「鍵盤を押して音を聞き逃したら全て台無し」
「何かしようとする前にコネクトしてワークする」
「呼吸が、自分が動く前から始まっていないといけない」
「自分(の力や体)ではなくて、相手に存在感を伝えないといけない」

4月20日台湾
(通訳なしなので、間違っているかも)
「(自分を体をグラスにたとえて)グラスを動かすのはなく、
中の水を動かすようにする」
「シームレスに動く」

4月21日台湾
「外からもパワーが来る」
台湾は英語なので、ほとんど名言は聞き取れず。


2月11日、ザイコフスキー氏とシステマジャパン本部にて↑

2019年8月9日金曜日

ロシアのビザを取るのは大変か? その2

以前ならば、ロシアの領事館はその日に行けばビザ申請を受け付けてもらいました。
ただし、受付は9時半から12時まで。
整理番号を受け取って、番号を呼ばれるのを待つのですが、
12時になったら何人待っていようが、窓口は閉まり、足きりされてしまいます。

したがって、9時半に行っては遅いのです。
確実にその日に申請するには、8時台に行くのが望ましかった。
整理番号が10番台だからといって、安心できません。

旅行代理店の人間が一挙に30人分ぐらいのパスポートを申請することがあり、
そんな人が1人いるだけで、そこで30分も40分も時間が取られてしまうからです。

というわけで、今年から領事館は予約制になりましたので、
足きりに合う心配はなくりました。
ロシア大使館のホームページから予約できます。
詳しくは「その1」で紹介しているページを見てください。

ただし、この予約がなかなか取れない。
私は7月18日に電子ビザ申請書をつくりました。
さっそく、大使館のHPにアクセスすると、その日はもう予約できないという。
どうも1日に予約できる数を制限しているようなのです。

ここでメールを登録していると、予約できる状態になると知らせてくれることに
なっています。あてにはできませんが、メールは登録しておきましょう。

大使館は朝9時から始めるので、もしかしたら予約も9時から更新かと思い、
19日の9時にアクセスすると、予約が出来ました。
でも、最短で3週間先の8月9日の9時33分しか空いていません。
次は8月13日の10時台だったので、この日を予約しました。

私が領事館であったある女性は予約できるまで1週間アクセスし続けたそうです。
諦めずにこまめにアクセスするしかありません。
それで予約が1カ月先になったと言っていました。

さて、領事館は9時半からオープンになっていますが、
9時20分ぐらいから入れてくれます。
9時30分から3分ごとに予約があるはずで、私はその日2番目のはずなのに、
なんと30分も待たされて、10時近くに受付開始。
この辺が日本において、そして領事館ですら、ロシア的です。

名前を呼ばれて2番口に進み、書類を提出。
書類さえしっかりしていれば、1分間ほどで受け付けてもらえます。
受付は2番窓口で、3番窓口で2週間後の引換券をもらいます。

どうせロシアだからと遅れるだろうとナメないほうがいいでしょう。
定刻通りに始まることもあるそうで、
名前は2度ほど呼ばれて、その際に窓口に行かないと、
次の人へと飛ばされます。

ただし、その場合も予約はちゃんされているので、
あとから窓口に行って、自分の名前が飛ばされたと言えば、
1時間~2時間ぐらい待てば、受け付けてもらえるみたいです。

さて、これで総額1500円がビザ申請が終わりました。
書類作成からビザ申請まで3週間以上、そこからビザ発行まで2週間、
つまりビザを無料で手にいれようとすると、5週間はかかりました。
ロシア旅行を予定する人は早め早めに動くことが必要かと思います。

 (下はネットから拾ってきた、ロシアのビザ。私のではありません)

さて、裏ワザを一つ。
なかなか予約が取れなかったら、ダメ元で行ってみる手もあります。

ビザが予約制になったことを知らずに、
いきなり領事館を訪れる人がいまだ少なからずいるようです。

その場合、受け付けられないと断られるケースもあるのですが、
待っていれば、11時ぐらいにちょっと時間が空いた時に、
受け付けてもらえることもあるようです。

1人3分ごとに予約されているわけですが、書類に不備がない場合1分ぐらいで
終わるので、早めに進行することもあるとか。
何かの折に、向こうの手が空いた時に、予約をせずに来た人間を受けて付けてくれることがあると聞きました。

窓口で知り合った旅行代理店さんからの情報です。

裏ワザその2

バウチャー→電子ビザ申請→領事館予約という流れになっていますが、
領事館がなかなか予約できないため、時間の余裕がない人はまず先に領事館が
予約できるかどうか確かめましょう。

領事館予約→バウチャー→電子ビザ申請という流れでも大丈夫です。
時間的余裕がなく、領事館が予約できなかったら、赤坂のビザセンターとなります。
まずはどちらに書類を提出するか決めてからのほうがいいでしょう。

なお、赤坂のビザセンターは大使館の下請けで係員も大使館の人間ではないそうです。
従って、書類のチェックに結構時間がかかるそうで、大使館では1分で終わるところ、
20分も30分もかかることがあるとか。
予約があっても結局、1~2時間待たせることがあるらしいです。
従って、時間の余裕があれば、絶対に領事館がオススメだと、
これも旅行代理店さんからの情報です。











ロシアのビザを取るのは大変か? その1

システマから離れて、1500円でロシアビザを申請できたお話をします。


ロシアを旅行するにはビザが必要です。
その申請の仕方がこの6月から変わりました。
以下は東京での申請の話になります。

これまではロシア領事館にいきなり行って手続きすれば問題ありませんでした。
受け取り後が2週間後であれば無料。受け取り期間が短くなれば有料でした。
それが予約が必要になったのです。

ビザ申請も、これまでの領事館の他、公式ビザセンターという窓口も赤坂にオープン。
ところが、このビザセンターは2週間後受け取りの申請でも4500円も取られます。

というわけで、現在、ロシアのビザを取るには次の3つが考えれます。
(2週間後受け取りの場合です)
1・代理店に依頼するもの
(パスポートと写真さえ用意すればいい。1万3000円から)
2・ロシア公式ビザセンター(赤坂)
(申し込みは自分で予約。パスポートや写真の他にも、
ロシアに旅行するにはロシアの旅行代理店が発券したバウチャーが必要。
それも自分で用意しないといけない。
他に大使館のホームページからビザ電子申請書を作成する必要がある。
ビザ受け取りは郵送。4500円から)
3・ロシア領事館(麻布台)
(用意するものは2と一緒。受け取りも自分で行かないといけない。無料)

節約したいシステマ仲間の多くがやっていたのは3でした。
バウチャーはモスクワ本部に頼めば50ユーロ(6000円)で用意してくれます。
PDFで、メールに添付して送ってきてくれました。
ただ、バウチャー代6000円払って、
六本木までの二度の往復を考えると労力を考えると面倒なので、
代理店に頼む人もいました。
私も最初は自分でやっていましたが、その後、代理店頼みとなりました。
実は今年の5月ぐらいまで代理店に頼んでもバウチャー料込みで6500円だったからです。

まとめてみると、
制度が変わったことにより、金額はこのように変わりました。
(モスクワ本部でバウチャーを取った場合)
1・6500円→13000円
2・新規制度→4500円+6000円(10500円)
3・無料→無料+6000円(6000円)

ビザだけで1万円以上は高い!
そこで今年は6年ぶりに自分でビザを取ることにしました。

調べてみると、ロシアの旅行代理店でネットでバウチャーを発行してくれるところが
ありました。料金は日本円にして約1500円。本部に頼むより4500円も安いのです。
以下のページに、バウチャーの代理店への申し込み方が詳しく書いてあります。

https://toriaezu-tabi.com/russia-visa-2019/?fbclid=IwAR2rVwRp6UyJ4QQIy9EXbkj45AWtjU8wJwFPt_-viET0b01MSb7EuwJ7h_M#i-13

ネットで申し込みと、10分以内に返事が来て、
PDF化されたバウチャーが添付されてきます。
モスクワ本部に頼むと、何週間もかかるのに、なんと素早い!

その次にやるべきことは、ロシア大使館のホームページに行って、
ビザの電子申請書を作ることですが、これも上記のページに詳しく書いてあります。

このページにも書いてありますが、注意しないといけないのは、
最後に書類をどこに提出するか、というチェック欄です。
TOKYOという文字で、勘違いしてビザセンターをチェックしないようにしましょう。

ここにチェックすると、電子申請書をプリントアウトした場合に、
提出先が「ビザセンター」と印字されます。
すると、麻布台の領事館では受け取ってもらえません。
領事館で知り合った代理店業者から話を聞いたら、
だいたい10人に1人がこのようなミスをしているらしいです。
六本木の領事館で受け取るには、
最後の「EMBASSY OF RUSSIAN FEDERATION IN JAPAN」
にしないといけません。

バウチャーと電子ビザ申請書をプリントアウトしたら、提出書類はおしまいです。
あとは申請書に写真を貼って、パスポートを用意するだけ。

しかし、これで終わりません。領事館の予約がなかなか大変なのでした。
長くなったので、ここでいったん切ります。


2019年8月8日木曜日

大西さんのエンジン(セミナーの感想)

久し振りのブログです。

システマ大阪のインストラクター、大西亮一インストラクターの
3日間のセミナーが4日に終了しました(システマ東武主催)。
参加者の感想で多かったのが、
「大西さんのエンジンが変わった!」というものです。

「エンジン」という言い方、分かりづらいかもしれません。
言い換えれば「動力源」です。
「動き」が変わったというと、何か表面上のものといった感じになるのですが、
もっとその奥にある大西さんを動かしている何かが変わったということです。

ですから、見た目には分かりにくいです。
(センスがある人が見れば分かるのでしょうが)
去年の暮に、トロント本部から大西さんのDVDが出ましたが、
やっているワークなどの内容や見た目はほんとど変わりません。
しかし、触ってみると、その差は歴然としているのです。

セミナーが終わった後、大西さんと帰りの電車の中で一緒になりました。
車中でもエンジンの話題になりました。

「今回のセミナーは昨年暮れのセミナーと一緒で、大西さんが訴えたいことは、
リラックスしろ、テンションをつくるな、相手と競うな、ということでしたね」
「でも、まったく去年とはクォリティーが違いますから」
「もちろん、そうですね」
「去年とは積んでいるエンジンが全然違いますよ」
「それはエンジンが進化したということですか。
それとも全く違うエンジンということですか」
「まったく違うエンジンです。
台湾のザイコセミナーのフォームもあったけど、
5月のミカエルセミナーに出たことがヒントで、
試行錯誤でしてエンジンを変えたんです。去年はまだ多少、
争っていた部分や『勝とう』と思った部分もあったけど、今年はなくなった」

実際、何人かから感想を聞いてみましたが、
以前の大西さんと比べて、まったくぶつかるところがなく、
よりスライム状態になっていると(笑)。そんな感じです。

ただ、どうしたらそうなれるのか。
大西さんはこう言います。
「リラックス」「テンションをなくす」
「力ではなく、動きを使う」
「交感神経ではなく、副交感神経を働かせる」

セミナーに参加されている方々はベテラン揃いなので、
それをヒントに各々が各々なりのアプローチをしているのですが、
初心者には「雲をつかむような話」で大変だろうなとも思いました。

ただ一つ言えるのは、大西さんも言っていましたが、
「りきんだ時と、リラックスした時の違いを感じること」が大事。
違いさえ分かれば、あとは、それを手掛かりに研鑽を詰むことです。

湘南でも自分は大西さんのようなことはできませんから、
リードしている時も、「できなくても違いを感じてください」と
よく言っていますが、その違いを感じていくことが大事なのでしょう。

その違いのクオリティをあげていくこと。
まずは、そこからだなと思いました。

写真は参加した湘南のメンバーと↓










2019年6月7日金曜日

フォームについて再び

5月はミカエルセミナーなどあったのに、結局、ブログは更新しないまま。

ときどき「ブログ読んでいます」と声かけられるので、
更新なければならないと思いつつ、気がついたら1ヶ月ほど経ってしまいました。

前回は、台湾での「フォーム」のことを書きました。
ミカエルセミナーでも、台湾セミナーに参加したメンバーのインストラクターから、
「フォームが分かれば、今回のセミナーもよく分かる」という声がありました。

すでに吉祥寺や大阪などではフォームの練習をしていると思うので、
「今さらながら」ではありますが、もう少しフォームのことを書きます。

前回のフォームの記述は、読んでも今一つ分からなかったと思います。
あれから時間が経って、もう少し自分の考えを書くと、
フォームとは、呼吸を体全身に行き渡らせた「呼吸体」みたいなもので、
それを意識して、それから先に動くということでしょうか。

姿勢を正して、呼吸を全身に行き渡らせて、意識を広げていく。
そして、体ではなくて、その呼吸体から動かしていく。

これはザイコフスキーが今年の2月に東京セミナーで言っていたことにも通じます。
「体ではなく、呼吸を動かそうとする」
「体の中に筋肉がないかの如く、動きたい」
「呼吸のままに動けば、適切な筋肉が動く」
「体は影、呼吸は本体」

フォームを意識して動けば、こられらの点がすべてクリアできます。

また、ここ最近、ザイコフスキーが強調していることが、
「動きはじめと終わりが難しい」
「アイドリングが大切」ということ。

つまり、体が止まっているように見えても、実は止まっていない。
車が止まっていてもエンジンが動いているように、
常にアイドリングをしていろ、と。
常に体の中を動かしていろ、というものです。
これもフォームを意識していれば、呼吸は止まることがないので、
常にアイドリング状態でいることができます。

他にフォームを作れば、システマの4大原則をクリアできます。
呼吸→呼吸を体に行き渡らせるので、当然、呼吸はします。
姿勢→正しく呼吸して、体に行き渡らせようとしたら姿勢はよくなります。
リラックス→テンションがあると、呼吸が体に行き渡りません。
キープ・ムーブィング→フォームが出来ていれば、常にアイドリング状態になります。

というわけで、何かと素晴らしいフォームですが、
そう簡単には身に付きません。
ついつい、小手先の動きや体の動きに捉われて、忘れそうになります。

しかし、フォームを意識していれば、ミカエル&ダニールセミナーでやった
アンコンタクトワークも上手くできるというインストラクターの意見も多いので、
システマ湘南では、フォームを意識した練習をしています。

逆も真なりで、台湾でやったフォームを主体としたワークを練習する際に、
ミカエル&ダニールセミナーでやった先端から動きなどを意識してやると、
非常に上手くいくことも多いのです。

つまり……。
1.ミカエルセミナーのワークはフォームを意識してやると上手くいく。
2.台湾でやったフォームのワークは、ミカエルセミナーの内容を意識すると
上手くいく。
同じシステマなので、当然のことなのですが、
両方を意識しながら練習すると、相乗効果も狙えるかなと。

そんなことを考えつつ、練習しています。

2019年4月26日金曜日

台北のザイコフスキーセミナーの感想

4月19日から21日まで台湾で行われたザイコフスキーセミナーに参加してきました。

セミナーは英語で説明され、主宰者のシステマ台北の江さんが中国語で通訳します。
自分は中国語は分からないことはもとより、英語もそれほど得意ではないので、
どこまで理解できたかは「?」なのですが、すばらしいセミナーでした。

内容は……というか、行なわれているワークは、
2月に行われた東京セミナーとほぼ同じ、もしくはその延長線上にあるものでした。
2月のセミナーに出て、そのワークをやりこんできた人たちには、
理解しやすかったのではないかと思います。

ただ、2月には「呼吸」が強調されていたと思うのですが、
今回、ザイコスキーが提示したタームは「フォーム」という概念でした。

ザイコは「今回のフォームはあくまでもエクスターナル」というのですが、
数前に日本でザイコフスキーが提示した「インターナルフォーム」に近いものの
ようにも思えました。

(ザイコフスキーの中で「インターナル」という概念がよりもっと深いものになり、
以前の「インターナル」定義そのものが違ったものになってきた?)

「フォーム」がどのよなものかと言えば、その本人から筋肉とか物質的なものを取った
「本質」のようなものだと、私は理解しました。

ザイコフスキーはこう言っています。

「フォームとは、自分の存在感のフォーム、信念のフォーム、愛情のフォーム、魂のフォーム、いろんなフォームがある。しかし、それは若い頃には気がつかない。ある程度、年を取ってからのほうが、フォームを理解しやすいし、フォームの重要性に気づく。皆さんはある程度、年齢が言っているので、だからこそ、フォームに気づけると思う。フォームに気づけると、人生を楽しめる。」(懇親会での発言)

そのフォームに呼吸を通し、フォームを動かしていくというのが、
今回のセミナーのワークのメインでした。

相手がフォームを整えると、その相手の手を掴みに行っても掴みどころがないというか、自分の力が吸収されるというか、どこかに消えて行くような感じを受けます。

そして、フォームはフォームでしか動かせない。
自分のフォームでもって、相手のフォームを動かしていく。
この一連の動作において、筋肉は一切使いません。
(実際は使っているのでしょうが、いわゆる筋肉の力みは発生しません)

ザイコフスキーいわく、フォームは「イメージではない」と言います。
あくまでも実感として感じるようにならないといけないわけですが、
最初はイメージでもいいのではないかと自分は考えています。

去年の台湾セミナーでは、「テンションをリリースしろ」と言っていました。
今回は相手からテンションを受けたりした場合「フォームをリストアしてください」と
言っていました。

この辺りも去年との違いなのですが、
ザイコは常に「新しい言葉」を使う割には、
「言葉にこだわるな」「分析するな」「考えるな」「感じろ」と
言い続けますから、言葉にこだわらない方がいいのかもしれません。

テンションを感じてリリースしていく(去年の台湾)、
テンションとリラックスを繰り返すことで動く(去年のモスクワ)、
こうしたワークを繰り返してきたことで、私達は「フォーム」を
感じれる体を作ってきたのではないでしょうか?
モスクワはそのように、私達を導いているような感じがします。

だから、ともかくミカエルを信じて、試行錯誤しながら、感じていくしかない。
皆さんと一緒に一歩一歩やっていけたらと思います。


ザイコフスキー師と、手にもっているのはセミナー修了証。

すばらしいセミナーを開いてくださった、
台北インストラクターの江さん夫妻に感謝します。
いつもながら多くの示唆を与えてくださるザイコフスキー師にも
お礼申し上げます。
そして、日本から訪れた私達を迎えてくださったシステマ台北の皆さん、
組んでくださった皆さん、ありがとうございました。

2019年3月25日月曜日

今はこんな感じでザイコの復習やっています

2月のザイコフスキーセミナーが終わってから、
もう1カ月以上も経っています。
早いものですね。

インターナルワークが好きな人たちは「いいセミナーだった」と
口ぐちに褒めています。
私もいいセミナーだったとは思うのですが、なかなか消化できません。

システマ湘南でもいろいろと復習したり、
個人的にも他のクラスのインストラクターから学んだりしました。

それで今、なんとなくこんな感じかなというのが掴めてきて、
システマ湘南では、ザイコフスキーの復習については、
だいたい以下の3つぐらいを中心にやっています。

①アイドリング:これは大阪でいうところのジャイロに近いのかもしれませんが。
とにかく体は止まっていて、体の中は止まっていない。
そういう感じを養おうというものです。
②アウェアネス:意識を広げる。自分と相手だけではなく、自分がいるその空間全体に
意識を広げてワークしようというものです。
③呼吸:自分がカームな状態で常にいるのを、呼吸を指標しようということです。
いわゆる「ステイトの状態」を作って、その状態のまま、
いろいろな動きにつなげていけるようにする。呼吸が自分の動く方向を教えてくれる。

アイドリングと呼吸が上手くいくと、ちょうど海の「さざ波」のような感じで、
静かで穏やかだけで常に自分の中は動いていて、その波をいかようにでも、
調整できるという感じになります――というか、そういうふうになれたら、
いいなということで、練習しています。

あんまりいろんなことをやってしまうと分からなくなってしまうので、
今はその3つを中心に、その3つを心がけてワークをするようにしています。

こう書いても、やっていない方はなんだかわかりませんよね。
もし関心をもったら、一度遊びに来てください。

といっても、3月下旬から4月頭にかけては、ちょっとザイコワークは休んで、
システマシアトルインストクラターのクオンのワークをやっていますけれど。
それもまた楽しいですよ。

2019年3月8日金曜日

クオンのひらめき

3週ほど前のシステマ湘南でのワークでは、
クオンのストライクも少し取り入れました。

ザイコフスキーのストライクのワークを中心に練習していたのだけど、
拳を重くするワークを取れ入れたほうがいいと思って、
1月下旬に行われたクオンのセミナーから、
拳の重くするワークだけをやってみました。

クオンから以前、「動画は撮ってもいいけど、一般公開はしないでくれ」と、
言われたので、クオンの動画は公開できませんが、以下のようなワークです。

プッシュアップの姿勢で1インチ下がったところで、
しばらく(20秒ぐらい)その姿勢を維持(つまりスタティック)したのち、
拳と床の感覚を変えないように立ち上がり、パートナーに軽くストライク。
その時に、拳の感覚が消えないようにする。
これを1インチ下げて、2インチ下げてと、床にギリギリつくまで繰り返した後、
今度は床から1インチ、2インチとプッシュアップの姿勢を上げていく。
(活字では分かりにくいので、詳しく知りたい人はシステマ湘南に来ていただくか、
参加した人にシェアしてもらってください)

このワークは「拳が重くなった」「拳の重さが感じられた」と、
当日のセミナーでも好評だったし、システマ湘南でシェアしても好評でした。

なんと、このワークはヴラッドが考え出したものではなく、
クオンが考え出したものだそうです。いわばクオン・オリジナルワークです。
やっぱりすごい。

クオンはかねがね
「もっとシステマのインストラクターは自分で工夫しないといけない」
と言っています。
でも、菲才な自分にはクオンのようなワークは思いつかない。
そこで、どうしてそんなワークが思いつくのか聞いてみました。

「ヴラッドの近くにいて、ヴラッドといろいろ話していると思いつく」

やはりマスターの側にいると、ふと発想がひらめくみたいです。
なんか、すばらしい師匠の側にいると、それだけで何かが違うのでしょう。

私はクオンのようにひらめかないし、オリジナルのワークも思いつきません。
モスクワやトロントのインストラクターが伝えてくれたワークをやっていく、
その中で、もう少しこうやったほうがやりやすいという工夫をするだけで精一杯。
「工夫しないとけない」というクオンの言葉には耳が痛いばかりです。

ただ、それでも「湘南はセミナーのワークや様子を忠実に伝えてくれる」という
参加者がいてくれて、それを楽しんでくださる方がいるので、
今はそれでもいいかなと思っています。

いつかひらめく日が来るといいのですけどね(笑)。



2019年2月26日火曜日

「フル」と「エンプティ」再論

北米系のインストラクターたちがよく使う「フル」と「エンプティ」。

これは自分の回りのインストラクターたちも解釈が違っていて、
「昔、ブラッドはフルと言っていたが、最近はエンプティになった」とか、
「エンプティはテンションのない状態で立っていることで、
ストライク売ったり動いたりする時がフル。フルとエンプティを使いわける」とか、
人によっても言うことが違うような気がします。

[Full(満ちている)」と「Empty(空)」は相反する概念のため、
違うものだと思われがちなのですが、自分は同じものだと思っています。
この辺の考えについては、2017年7月10日のこのブログにも書きました。

今回、改めてクオンにも聞いてみました。クオンいわく、
「太極図って知っていますか? あれのようなものです」
太極図ということは、エンプティがフルになり、
フルがエンプティになる、ということだと思います。


↑太極図

自分の考えは、クオンと同じかどうかは分からないけれど、
最近はエンプティとは体の状態で、フルとはその人の存在感だと思っています。

ザイコフスキーは今回のセミナーで、「ライトで、クリアな感覚」で動くことを
強調していました。
この「ライトで、クリアな感覚」こそがエンプティなのではないかと思います。
それにはザイコが散々言っているように、
「頭をからっぽ」にする必要があるのでしょう。

一方で、フルというのは、昨年ザイコセミナーでやったワークのようなものです。
自分が座っている→相手が近づいてくる→自分が立ち上がることで、相手が止まる。
これは自分の存在感が相手の中を変えているのだろうと思います。

ライトな動きで、存在感がフルというのは、分かりにくいかもしれませんが、
大リーガーのイチローのようなものでしょう。
存在感があるけれど、動きはライトでクリアです。

11月のヴラディミアのセミナーで、
ヴラッドが近くに来ても全く分からないことがありました。
あれは「フル」のスイッチを、オンオフ自由に変えることができたのでしょう。

いろいろ考えだすと、わけがわからなくなるシステマですが、
だからこそ、非常に面白いんですよね。

2019年2月21日木曜日

ザイコフスキーとの会話(承前)

「相手に共感しろ」
「暴力を振う人間にもそうせざえるをえない事情がある。それを感じ取れるようになれ」
それがザイコフスキーの言うところだが、
常人には共感できないほど深い闇を抱えた人間も世の中にいる。

だから、その次に以下のような質問をしてみました。
「だいたい突然襲われたら、共感できるも何もないと思う」

すると、ザイコフスキーはこう言います。
「以前、ミカエルもセミナーで、そのような質問を受けました。
ミカエルは言いました。unconscious(意識を失う、無意識)なるだけだ」

この場合、ミカエルほどの人物でさえ襲われて意識を失うのか、
無意識になって相手からの攻撃に反撃してしまうのか、よく意味が分かりません。

とりあえず、こう質問しました。
「ミカエルだったら、unconsciousですむかもしれないけれど、
自分だったら死んでしまう」
すると、ザイコはこう言います。
「あなたの肉体は死ぬかもしれないけれど、あなたという存在は死ななない。
あなたのやろうとしていたこと(相手を理解しようとしていたこと)は、
神は見ている。あなたのやろうとしたことを神は認めてくれる」

何か宗教的な話になってしまいましたが……。
しかし、ここで私が深く感じいったのは、
ミカエルが言ったという「unconscious」が
死という概念も含んでいるということでしょう。

私とザイコフスキーの会話は、傍からみると、かなり宗教的な、
いかにもロシア正教をバックボーンにしているシステマならではの会話のようにも
思えますが、その実、武術の奥義を表しているかもしれません。

もし相手を完全に感じ取り、それに応じていこうするのならば、
死を恐れていてはダメだということなのかもしれません。

システマでは恐怖を克服することも様々なワークで練習していきます。
人間にとって最大の恐怖とは死です。
相手を真に理解していこうということは、自らの死に向きあうことであり、
武術の真理はその先にあるのかもしれません。

2019年2月19日火曜日

ザイコフスキーとの会話

ザイコフスキーの言うことは、要するに暴力とか振るっている人間は、
「魔」に魅入られていることです。
システマのストライクとは、その「魔」を吹き飛ばすものだということなのでしょう。
ストライクによって、その人本来の「善」性を取り戻させるとも言えます。

欧米人は日本人と比べると、性悪説の人が多いように思えます。
日本人は性善説に立つ人が多いので、こうしたザイコフスキーの説明について、
納得できると思う人がいる一方で、スピリチュアルとか宗教的なことが嫌いな日本人も
多いので、嫌悪感や抵抗感を示す人も多いのではないでしょうか。

ともあれ、ザイコフスキーの考え方はキリスト教的な影響が伺われます。
東方正教的なのかもしれません。

暴力を振るっている人に共感に示し、「なぜ彼がそうなっているか」を理解したうえで、その要因となっている見えざるものをストライクで吹き飛ばす。

たとえそんなことができたとしても、
暴力を振るうあらゆる人に共感を示せるものでしょうか?

世の中には、暴力を振るうことに喜ぶを感じている人もいます。
他人を壊すこと、他人を不幸にすること、それに良心の呵責を感じない人もいます。
そんな人までも理解できるものでしょうか?

懇親会では、ザイコフスキーにそんなことを質問してみました。

ザイコフスキーは言います。
「なぜ、彼がそうなってしまったのか。
もしかしたら、すごく不幸な生い立ちがあったのかもしれない。
辛い目にあってきたのかもしれない。
そうした彼の人生と比べれば、あなたの人生はどれだけ恵まれたものかもしれない。
あなたはただ、たまたま自分は彼のようにならなかっただけかもしれない。
そう考えれば、たとえどんなにひどい人であったとしても共感できるのではないか」

確かに、それは理想です。
でも、本当の犯罪者、殺人鬼と言われているような人間には、
そもそも「人間として壊れている」人がいることも事実です。
理解しようと思っても、共感しようと思って、
常人には、想像もつかぬような闇を抱いている人もいます。
そうした人間についても、ザイコフスキーは共感すべきだというのです。

しかし、相手を理解しようとしているうちに、スキが出来て、
殺されてしまったら、どうするのか。

そんな疑問も続けてぶつけてみたのです。
(続く)
特別クラス終了後にザイコフスキーと。ジャパンの本部で。何か疲れている。


2019年2月18日月曜日

ザイコフスキーセミナーとストライク

仕事が昨年暮れからガラッと変わって、なかなか調子が出ません。
そこへ持ってきて、3週間週末ぶっ続けのセミナーで、
なかなかブログが更新できませんでした。

クオンセミナーの感想を期待されている方もいると思うのですが、
とりあえず、2月の第1週目と第2週目に行われたザイコフスキーセミナーから
感じたことを――。

今回のザイコフスキーの大阪セミナーは個人的には非常に面白かったです。
先週末(2月16日)のシステマ湘南でもシェアしたのですが、
誤解されてしまうようで書くのが怖い部分もあるのですが、
要はストライクをしてくる相手も「彼自身、その人として見よ」ということです。

たとえてみれば、幼子が泣きじゃくって親に反抗してきても、
「何か訴えたいことがあるんだな」とか、子どもを理解しようとするじゃないですか。

同じようにストライクを打ってくる人間をも理解する。
理解したうえで、その「なぜ相手がストライクをしてくるのか」という原因に
アプローチするのが、こちらが打つべき「本当のストライク」だというのです。

子供が泣いて暴れているのは、もしかしたらお腹が空いているからかもしれない。
だとしたら、その子の「そこ(原因)」にアプローチする。
言い換えれば、そこできんとしたアプローチがでれば、
子供は「あっ、こんなことをしていてもいけない」と
思って、泣き止み、暴力も終わるかもしれません。

私達が目指すべきストライクは、そんなアプローチができるストライクだという。

ただの理想論のように聞こえるかもしれませんが、ザイコフスキーの打つストライクは
それこそ自分自身というものを根こそぎもっていかれるというのか、
自分の芯に響いていくようなストライクです。

肉体に打つのでもなく、心に打つのでもなく、その人の本質に打つというか、
そんな感じのストライクなのです。

だから、ザイコフスキーは言います。
「相手があなたに攻撃してくるのは、
あなたが相手に対して何か悪いことをしたのかもしれない。
何らかの原因があなたにあるはずです。
だから、あなたはそのストライク(攻撃)を罰として受けないといけない」と。

そして、そのうえで相手を理解して、相手の怒り、攻撃するという動機になっている、
「何か」をストライクによって、「何か」を相手から消して、相手を変えていく。

昨日までの残虐な殺人者を、急に善人に変えるような話なのですが、
そんなことが本当に出来るのか。
しかし、それが本当にできると思っているのが、ミカエルであり、
ザイコフスキーであり、だからこそ、彼らのストライクには力があるのでしょう。
(続く)
 
 大阪セミナーに参加した湘南からの皆さんとザイコフスキー。

2019年1月7日月曜日

2018年の参加者数と2019年の抱負

新年あけましておめでとうございます。
今年もシステマ湘南をよろしくお願い申し上げます。


システマ湘南も今年6年目となります。
遅々とした歩みですが、少しずつですが参加者数も増やしてます。

昨年の参加者数の決算をしつつ、
今年の抱負を述べて行きたいと思います。

昨年のクラス数は52回で、平均参加者数が10人でした。
昨年は水曜日のクラスも新たに行うようにしたので、
土曜日だけで見ると、平均11.9人。
もちろん、これは蔵岡さん特別クラスなども行なって、
20名近くの人が来てくれた日があったおかげでもあります。
水曜日だけで見ると、平均3.5人。
水曜日もできたら、今年は平均5人ぐらいにはしていければいいなと思っています。
また、水曜日のクラスも月1回から出来る時には月2回行いたいと考えています。

システマ湘南を体験等で訪れてくれた方
(システマ東京などの他のクラスの方が来てくれるのを含める)は
2014年が26名。主に朝日カルチャーセンター横浜クラスから、
その補助的なクラスとして参加してくださる方が多いため、
現在も続いている方が多いです。今も残っている方が約13人。
2015年が31名が訪問してくれて、残った方が3名。
2016年が18名が訪問してくれて、残った方が2名。
2017年が12名が訪問してくれて、残った方が0名。

昨年は新たにホームページを作ったこともあって、
33名の方が訪問してくれて、複数回来てくれた方が14名ほど。
その後も時間の都合がいい時に来てくれている方が6名ほどといった感じです。

ですから、現在、システマ湘南に常連とも言えるメンバーは24名ほどで、
毎回来てくれるコアのメンバーが8人ぐらいといったところです。

26人(14年)→31人(15年)→18人(16年)→12人(17年)という流れを見ると、
(この傾向を見ると、システマへの関心は薄くなっているのでしょうか?)
ホームページを作らなければ、2018年の訪問者はもっと減ったことでしょう。
2017年は残っている人はゼロかと思うと如何に自分に指導力がないかを痛感します。

自分は格闘技的に強いわけでもないし、運動神経がいいわけでもありません。
体力、運動神経ともに中の中といったところでしょう。
テクニカルな面でも上手いわけではない。
ですから、システマ湘南に強さや凄さを求める人は去って行くように思います。

じゃあ、インストラクターとして何をやっているのかと言えば、雰囲気作りです(笑)。
よく「システマをやると元気になる」と言いいます。
ちょっと疲れて行くのが面倒くさいと思っていても、行けばスッキリすると。

大阪のインストラクターの大西さんが以下のようなことを言っていました。
「システマのクラスをやっていて気持ちいい、
温泉のように暖かいクラスにすれば、いいんや。
『行くとなんだかポカポカして気持ちいい』と思ってくれるようになれば、
しめたものだ。その人はシステマのクラスから離れられなくなる」

これは大西さんの実力をもってして、
参加者にそう思わせることができるのかもしれません。
大西さんの足元にも及ばないにしても……。
「システマはすごい」とか「システマをやると強くなる」と
思わせるほどの技術も体力もない私ですが、
少なくとも「システマは楽しい」とか「システマの奥には何かある」と
皆さんが思ってくれるようなクラスを心がけたいと思っています。

今年も皆さん、よろしくお願い申し上げます。