2015年6月11日木曜日

「負けない」ということ

5月のセミナーで、ダニイルがワーク中に言っていたのは、
「勝たなくてもいいんです。負けないことです」
ということです。

こう言われても、ピンとこない人もいるだろうけれど、
実際の戦闘では「負けない=死なない=生存する」ということだと思います。
戦闘においては、相手の軍隊に対して勝たなくても、
こちらが殲滅してなければリベンジの機会があるわけで、
そういったところもシステマがサバイバルの技術である所以だと思います。

現実的には、負けないためには、逃げてしまえばいいわけだし、
最初から戦闘しないという方法もあります。

勝とうとすると緊張するし、リラックスが崩れます。そこから無理も生じます。
リラックスをしていれば、チャンスも生まれます。
しかし、実際には、なかなかその境地には達しづらいところがあります。

そこで何かの参考になればと思って最近読んだのが「負けない作法」(集英社)という本。
著者はラグビーの大学選手権で6連覇した帝京大学の監督、岩出雅之氏です。
目次には「自分を知り、自分をつくる」「自分の『ニュートラルな状態を知る』とか、
システマにも通じそうな項目が並んでいます。

読んでみて思ったのはシステマの場合は「How to do」が具体的なのですが、
この本は「How to think」の要素が多かったです。
対象にしてい読者は大学生から20、30代のビジネスマンという印象を受けました。

参考になったのは「負けない作法」の「作法0」の部分です。
「負けない作法」には0から4まで5つの段階があるのですが、
「作法0」では次の5つを提唱しています。

1 環境を整える
2 身体のコンディションを整える
3 マインドのコンディションを整える
4 振り返りを行う。何度も行う
5 丁寧に日常生活を送る

詳しくお知りになりたい方は本を見ていただくことにして、
要は、日ごろから整理整頓、体や心の調子を整え、無理をしないということで、
最後の「丁寧に日常生活を送る」というところに集約されます。

「負けない」体や「負けない」心を作るには、何かをどうするのではなくて、
日頃からきちんとして生きるということを提唱していて、
いろいろと考えさせられました。

確かに、まずは「そこから」なんですよね。

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