最近、2冊ほどロシア関係の本を読みました。
1冊は「池上彰のそこが知りたい! ロシア」(徳間出版)です。
この秋、プーチン大統領が来日するかもしれないというタイミングを狙った本で、
池上彰氏が分かりやすく、ロシアの時事問題について解説しています。
それほど深くつっこまれては書かれていませんが、
日本とロシアの間に横たわる問題をざっと復習してみるのにはいい本かと思います。
もう1冊が「異端の人間学」(幻冬舎新書)です。
この本では作家の五木寛之氏と評論家の佐藤優氏がロシアについて語っています。
特に面白かったのは、第二次大戦中のソ連の対独諜報機関「スメルシュ」について
語っている箇所です。
去年、ミカエルが来日した時、武道研究家の甲野善紀先生と対談されました。
その時、甲野先生から「達人だと思う人たち」について聞かれたミカエルが、
「スメルシュにいた人たち」と語っていたのです。
ミカエルの説明だと、彼らはドイツのスパイには捕まっても殺されてもならず、
ドイツのスパイは殺さずに捕まえなければならない、という困難な使命を帯びており、
そのため、彼れらの使う武術は殺さずに制圧するという方向で発展したのだとか。
確か、そんな話をされていたと思います。
このスメルシュは日本で調べようとしてもなかなか本がないので、
いったんどんな組織なのか、よく分かりませんでした。
この対談集で、たまたま触れらていたのは意外でした。
ロシアに詳しい人たちにとっては、とても有名な組織なようです。
五木氏の家族は戦時中、北朝鮮に住んでいて、敗戦後、北朝鮮に進駐してきたソ連兵に
母親(他にも多くの日本人女性)が強姦されています。
それは犯罪者などからなる「囚人部隊」がまず先にやってくるからで、
彼らは乱暴狼藉をしまくるのです。
ところが、1週間ぐらいするとピタッとそれがやむ。
それはスメルシュがやってくるからだそうです。
彼らが軍紀違反の疑いのある連中をかたっぱしから処分していったという。
彼らの凄まじさが伝わってきます。
スメルシュは独軍のスパイを捕まえるだけではなく、
憲兵のようなこともやっていたようです。
スメルシュのことについて書かれているのは、ほんの数ページなのですが、
この本は佐藤さんと五木さんがロシアについていろいろと語っています。
ロシアの音楽も日本の音楽も短調が基本になっているという話も面白かったです。
だから、日本人はロシア民謡になんとなく親しみがわくと解説されいて、
私はカラオケの時に必ずロシア民謡を歌うですが、「なるほど!」と膝を打ちました。
他にも目からウロコのようなことが書かれていますので、
ご興味のある方は「異端の人間学」を手にとってみられるといいと思います。
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