みなさん、お元気ですか?
ミカエルが来日した富士キャンプが終わった後、
身内に不幸があったりして、ブログも更新できないでいました。
ようやく落ち着いてきたところです。
先日、2015年の春からシステマ湘南に通ってきてくれたK君が、
「システマをやめます」と宣言しました。
通い出した時はまだ19歳で、浪人生でした。
受験が近づくにつれて足が遠のいたり、専門学校に合格してからも、
土曜日は都合がつかなかったりして、2年半で35回ほど参加してくれました。
他にもシステマ鵠沼やシステマ藤沢(自主練クラス)などでも、
練習を積んでいました。
なぜやめるのかというと「上達できないから」。
「毎回違うことやっていて、自分には合わないと思いました。
自分は一つの型や技をじっくりやるほうが性に合っていることがわかりました」。
システマは昇段制度もないので、上達しているかどうか分かりにくい。
彼に限らず、「何年やっても上手くならない」と離れていく人もいます。
上手く相手を倒せないとか、上手く技をかけれないとか、
たぶんそういうことを考えていたら、システマから離れてしまうかもしれない。
または、後輩のほうが上手くなっているとか……。
何事に限らず、人と比較していると、どんなこともつらくなります。
このブログでも何回も書いているけれど、
システマの本質は「自分を見つけること」だと考えています。
自分にはまだこんな可能性があったのだとか、
自分には何ができないのかとか。
そうした小さな発見がサバイバルへとつながっていくのだと思うのです。
そういう意味では「上手くなることをこだわっている自分を見つける」ことも、
またシステマであるような気がしています。
「2年半やっても上手くならない」というのは、
おじさんたちからすると「まだ2年半でしょう?」となるのですが、
若いと、すぐに成果がでるものをやりたがるのも分かります。
システマ湘南は(湘南に限らず、他のシステマ団体もそうですが)
結構、いろんな武術や格闘技を経験してきた人が集まっています。
だから、一度、システマをはなれて、自分の引き出しを増やしていくのも、
いいと思うのです。
このブログでも書いているように、
システマってOS(オペレーションシステム)のようなところがあって、
アプリケーションは自分で用意しないといけない部分もあるので、
いろいろ他のことをやってアプリを増やしていくのもいいような気がします。
だから、K君がシステマから離れていくのは残念だけど、
若いうちは、いろいろやってみるのはいいことだと思います。
いろいろやっても、
ある日、「そういえば、またシステマやってみたいな」と
思ってくれる日を待っています。
こんにちは、ヨッシーさん。
返信削除投稿にある彼の言葉は、システマを習い続けながらも常に心が揺れている自分の気持ちを代弁してくれていてドキッとしました。
システマを離れていった人たち、今も続けている人たちの心の中にも、彼の言葉は少なからずやあるのではないかと思います。
それともそんな思いがひとかけらもなく、システマを『崇拝』している人だけがシステマに残り、上達していくのでしょうか。
システマは30代後半から50代にかけた人たちがメイン層です。
19歳の彼の2年と壮年以降の人たちの2年とは感覚や密度が違います。
またシステマは省力化された動きを追求するものですので、エネルギーがあふれた年代の人たちからすると物足りないのかもしれません。
先ほどシステマを『崇拝』と書きましたが、システマ信者によるシステマ信仰のような空気がシステマの中にはあります。
その空気の中でシステマに対して成長や達成感を抱けずにいた彼は苦しかったんだと思います。
長々と失礼しました。
ヨッシーさん、いずれまたシステマ湘南に伺います。