2月の19日から22日まで東京で行われたセミナーの復習が中心でした。
今回も参加者は10名を超えました。
参加してくださった方、ありがとうございました。
さて、今回、東京で行われた
ザイコフスキー師のセミナーですが、
その内容はというと――。
誤解を恐れずにザックリと言ってしまうと、
まず一つは「インディペンド(独立した状態)」に動け、ということです。
これは昨年もテーマになりましたが「非対称の動き」と意味は一緒です。
……なんだかよく分からないですよね。
でも、逆を考えてみれば分かります。
独立していない動き、対照的な動きとは何かというと、
相手の出方や攻撃(表面的に見えること)に応じてしまうことです。
相手の出方や攻撃に関係なく(つまり「対照的」ではなく「独立」した状態で)
こちらが動き続けることが大切だというのです。
そして、二つ目に「攻撃してくる相手」の「攻撃」を捉えるのではなく、
(そうすると、相手にディペンドした、つまり依存した状態になってしまうので)
「相手」そのものを捉える(感じる)ことが重要だと言うのです。
これも、この数年言っていることは一緒で「力の源を捉えろ」ということです。
時には「動きの源」「変化のおこり」とも言い換えられます。
これは例え話として、タンク(戦車)の話を出していました。
「戦車がこちらに向かって攻撃してくるのに、戦車に立ち向かっても意味がない。
私たちは、戦車を操縦する人をどうにしかなければいけない」と。
上記、二つの行う際に、もっとも問題となる(つまり敵となる)のが「自分の考え」で、
昨年は「頭の中をピックニックに行かせてください」と言っていましたが、
今年は「クリーンにしてください」で、いずれにしても「何も考えるな」です。
まとめると、相手が攻撃してきても、
「何も考えずに」
「相手が何してこうようと気にせずに」
「『相手そのもの』を感じていく(捉えていく)」というトレーニングを
20日~21日のメインの2日間はやりました。
相手は自分の攻撃ではなく、自分自身が捉えられてしまうので、
自滅していくというのです。
非常にセンシビリティが要求されるワークでした。
これをお読みになった方はセミナーが「集団催眠」みたく思えるかもしれません。
しかし、実際に、ザイコフスキー師を相手に、こちらが攻撃していくと、
何かこちらの根幹に触れられて、自滅していくんですね。
こうしたワークを長くやっていると、「(相手に)とられた」という感覚が分かります。
武術として考えると、何かインチキくさく聞こえてきてしまうのですが、
似たようなことは、実際のビジネスの世界では起きています。
たとえば「接客の達人」とか 「セールスの達人」と言われるような人たちは、
お客さんが口に出していること(表面的なこと)ではなくて、
その人が何を求めるのかを察知して、応じていきます。
そして、達人と言われる人ほど、
「どうして、今、お客さんの気持ち(求めているもの)が分かったの」と聞かれると、
「なんとなく、そうしたほうがいいと思ったから」という答えが返って来たりします。
考えてやっているわけではないのですね。
そういう能力は、どうも人間には備わっているような気がします。
実際に、ザイコフスキー師はモスクワでビジネスマンとしても成功されていて、
システマの知恵を使っているそうです。
名古屋で日本初の「システマ・ビジネスセミナー」も2月25日に開かれました。
システマ湘南の常連さんのYさんが名古屋まで行って参加してきました。
2月27日は、この時の内容の座学も行ったのですが、
これも丸めて言ってしまえば、システマもビジネスも、
いかに相手の「本質」を捉えるかが肝だということだと思いました。
またザイコフスキー師はこう言います。
「仕事では失敗、成功などの経験を積むのは時間がかかるが、
武術は短い時間の間に、何回も試行錯誤が出来る。
だから、そうした感覚を身に付ける早道となる」
逆に言い換えれば、私達は仕事をしながらでも、その気になれば、
「相手を感じる」というシステマの練習が出来るということです。
学生よりも、社会人のほうが、シビアな世界に生きている分だけ、
よりよい練習が出来ることになります。
というわけで、いろんな意味で面白く、興味深かったセミナーでした。
(できるだけブログは短くしようと思っているのですが、
今回は少し長くなりました。読んでいただき、ありがとうございました。)